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「保護犬」って知っていますか?こんな犬の半生があります。

昨年、四国在住の保護犬活動をされている方とお友達になりました。そのご夫婦は不幸にも迷い子となった犬たちを受け入れ、多頭飼いになる生活に真剣に取り組まれていました。

今回私の勉強もかねてそのYさんご夫婦にインタビューさせていただくことができたので、保護犬とはどんな犬か、保護されてからどうなっていくのかを記事にしました。

 

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保護犬たちはどこから来るのでしょうか?

町で「迷い犬」として役所に届けられ、1週間飼い主の捜索をした後で迷い犬たちは各自治体にある「動物愛護センター」に集められます。そして1週間のあいだに元飼い主か新たな里親があらわれない犬を、殺処分される前に受け入れしています。

つまり官で面倒をみられなくなった犬たちを、ボランティアで里親を探しながら面倒をみるのです。

 

犬の身元が分からないので推測でしか言えませんが、ブリーダーの廃棄かペットショップの廃棄じゃないかなと思われます。売れなくなった犬を捨てているのではないかという憶測です。若い犬(生後1年~2年くらいの犬)が多いように思うので。

そのほかにはブリーダー崩壊した種犬を受け入れています。

 

また、個人で飼われていたような迷い犬や捨て犬、または家庭の事情で飼育放棄された犬は少ないように思います。なぜなら個人が飼っていた犬が多頭飼いの家に来たら、今までどう飼われていたのかがすぐにわかりますから。

 

Y家では、せめて居住近辺だけでもお助けしたいと考えており、愛媛県内で見つかった犬の面倒をみています。(他県の場合はその地区のポランティアさんがいらしゃいます。)

 

今うちにいる犬の「くろみ」は去年の台風の日に家に非難してきたところを保護して、そのまま世話しています。飼い主が見つからず、うちの犬になるんじゃないかなと思いつつも里親を探しています。

  

 

犬種はどうですか?

野犬は受け入れしないように考えていて、人に飼われていた犬を受け入れています。

犬たちの多くに、実は良い血統なのではないかなという感じが確かにありますね。

ただ、出所がわかりませんのでもちろん血統書は無いですよ(笑)

 

シェパードのように耳に識別番号が付いている犬でも持ち主が現れないし、マイクチップが付いている犬も持ち主があやふやな場合があります。

 

人気のある犬種(ミニチュアダックス、トイプードル)等は愛護センターにいる間に里親さんが現れたりしますので、人気の無い犬種や、少々問題のある犬を殺処分される前に受け入れすることが多いと思います。

 

保護犬たちはどんな状態で来ますか?

やせた犬、怯えた犬、普通に溶け込んでくる犬、飼い主よりも偉い犬、さまざまです。

犬種によって、ほんとうに毛皮のタイプが違います。

 

季節で生え変わるダブルコート(コーギー、チワワ、ミニチュアダックス、和犬、雑種)や毛がずっと伸びてくるシングルコート(ヨークシャーテリアマルチーズ、トイプードル)などがいて、この毛が伸びるシングルコートの犬のケアが大変なんですよ。

 

犬たちは愛護センターに収容されて食事は与えてもらえるのですが、スタッフはきっとすごく忙しいのでしょう。毛をとかれることはあまりありませんので、伸びた毛がモチャモチャにからまり、外の汚れや自分の排泄物で毛がフエルト状になってしまっています。

 

家に連れて帰ってシャンプーする前に、まず散髪から始めるわけです。このヘアカットを、初めての知らない人間がいきなりハサミを持って自分(犬)のカラダをいじくるんだから、犬のほうもたまったもんじゃありませんよね(笑)

 

その嫌がる犬を押さえつけながら、悪臭と闘いながら夫婦二人でカットしていきます。そしてそのあとシャンプーするんです。

 

まあこの時点での利点もあって、その犬にどのような性格のクセがあるのか、カラダについても病気やケガなど異変があるのかも調べる事ができます。

 

保護犬はどこで預かっていますか?

いずれは里親さんに渡す犬だから、人にも慣れるようにトレーニングします。そして他の犬たちとの「犬の社会」を経験させるために、うちの犬と一緒にまるごと面倒をみています。

さすがに小型犬と中型犬を一緒にすると、犬どうしのケンカになったときに流血騒ぎになってしまうことがあるので、様子をみながらゆっくり面倒をみていきます。

 

そして犬の体重が5㎏以上になると、隔離はしています。

 

もともとうちにいる犬の基本犬種がマルチーズなので、できるだけマルチーズ中心の家庭にしています。

 

保護犬を預かっている間、しつけなどはするのですか?

小型犬の場合は普通にうちの犬と同じ世話をしています。中型犬以上の大きさだと、ゲージに入れて隔離しているので運動不足とストレス解消のため、夜に僕が仕事から帰宅後に散歩します。

 

しつけはあまり考えていませんが、人が嫌がる事(無駄吠え、他の犬にケンカを仕掛ける、尿をするなどのマーキング等)をしたら、怒ります。

 

叩く、罰をあたる事はしませんが、怒るときには本気で怒鳴ります。頭の良い犬は怒った顔するだけでも、察して目をそむけますよ(笑)

 

保護犬は新しい飼い主とどう出会いますか?(保護犬に出会いたい人はどうすればいいですか?)

いろいろと保護活動をしているボランティア団体さんがあって、その団体さんが里親さんに見てもらうための譲渡会が開催されています。

保護活動している団体さんのホームページを見ても、保護されている犬が紹介されていますので、「里親 (犬種)」で検索したら飼ってみたい犬種の里親募集欄がみられます。

 

自分の身近な保護団体に連絡して、直接お話をしてからのほうが沢山知識も教えていただけると思います。

 

好きな犬を見つけたからといって、すぐに飼い主になれるわけではないのですか?

保護団体の方々は、飼い主のプロだと思っていたほうが良いです。そのほとんどの方々が常に犬や猫のことを第一に考えていて、そういう方々が保護活動をしているわけです。なので、里親さんになれる条件はペットショップよりも厳しいですよ。

 

犬の避妊、去勢は必須条件です。あと畜犬登録、狂犬病予防注射、ワクチン接種、フィラリア予防の投薬も条件にあります。また団体によってですが、完全室内飼いをお願いするところがあります。

 

そして里親さんになられる方に絶対に必要なのが「最後まで犬の面倒をみる」という覚悟ですね。

 

里親募集に名乗りを上げると、譲渡仲介者が犬を飼える状態か家まで見にきますから、その時にどの様な里親さんかも調べられると思いますよ。

 

それだけ、二度とふたたび犬たちを簡単に廃棄されないように考えてから渡しています。

 

保護犬は年々増えているのでしょうか?

まだ保護犬活動を始めてから3年位しかたっていないので、正直よく分かりません。

でも、保護する件数が急に増える時期があります。原因は分からないのですが、ペットショップ、ブリーダーに関するニュースが増えると、保護される犬も増えるような気がしています。

 

どうすれば保護犬がいなくなるのでしょうか?

本当にこればかりは、保護された犬にいくら里親さんを見つけても、その件数が減ることはないように思います。

 

日本はペットショップでペットを購入することが簡単にできすぎるのではないかと思います。ペットショップやブリーダーさんたちが、保護犬譲渡対象者の条件と同じぐらいの目で購入者に引き渡してくれると良いのではないのかなあ。

 

それからマイクロチップ埋め込みと、畜犬登録を絶対すること。そうなると、販売元自体が気を引き締めてくるのではないかなと思います。

 

愛媛県では現在、犬猫の保護活動をメディアを使ったり、クラウドファンディングで資金を募ったりしてやっている人が出てきています。

 

わたしたちY夫婦はただこの方たちをサポートしているだけだと思ってください。

 

自分が犬を飼っていたときを思い出す

私は小学4年生のときに子犬をかってもらいました。犬種はヨークシャーテリアで、それまでにお年玉やらお手伝いやらでためた自分のおこづかい数万円と引き換えでした。

私が一人っ子だったのと、父が仕事で忙しくてほとんど家庭にいなくて、ほぼ母と2人だけの生活だったので、ずっと犬が欲しかったのです。

 

母がたまたま友人に「子供が犬を欲しがっているのよ」と言ったところ、その友人の方のご友人というつながりで、もらわれて欲しい子犬がいるんだけどどうですか?とお話をいただいたのです。

 

その子犬はあるレストランを経営されているお金持ちのおうちで生まれました。ヨークシャーテリアばかりが何匹もいるおうちだったそうで、みんな血統書があったそうです。そして最後に生まれた小さな子犬がうちにきた子で、その子犬は生まれたときに小さすぎたのか血統書がないということでした。

 

メス犬で室内で飼っていたのですが、結構プライドが高くてどこか凜としていて、私の妹というより姉のような顔をしていました(笑) 

私たち親子がどこに行くにも犬も一緒で、車にも新幹線にも犬用のキャリーバッグで連れて行きました。

 

犬が10歳の時に母が実家の祖父母の介護のため、大阪に一緒につれて行くことになりましたので、その大阪の家で犬が18年の生涯を閉じるまでは、私の仕事が休みのときはまめに会いに行っていました。 

自分の子供が同じような年齢になってくると、その犬は長く生きてくれていたのだなあと懐かしく思い出されます。

 

まとめ

人間のわが子の子育てでも大変です。保護犬活動をされている方々は自分が選んで飼った犬でなく、不幸を経験した心に傷のある犬たちを受け入れます。犬によっては短期間だけでなく長期間お世話していくことになるかもしれません。固い決意のもと、並々ならぬご尽力と思われます。

 

ペットを購入する人はその前にもう一度、最後まで面倒をみることができるのか自問することがとても大切ですね。

命あるもの、すべてが幸せになってほしいです。

 

(年末のお忙しいときにインタビューに気軽に答えてくださった、Yさんご夫妻に感謝しています。)

 

最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。